2017年5月9日火曜日

略奪について愛撫してみる


恋愛的スキマ産業で生計が立ちそうな状況を垣間見たので、
推敲もほどほどに殴り書きです。

とある友人が、かつて別の人と交際していた方と恋仲になったと報告を受けました。
「おー略奪愛~♪」などとはやしつつ、
そもそも「略奪ってなんだろね」となったので、そのあたりの個人的見解をだらだらと綴ります。

略奪って言い回しがそもそもおかしい件

人はモノじゃございません。
相手の気持ちは相手のもの。
略奪!と声高に叫ぶその自らには、まったく問題なかったと言えるのかなーと。

おれのもの?おまえのもの?
仮に取り合いになるとして、そんなふうに人を所有する権利ってなんだろう。
取る、取られる、で考えている時点で、相手はそこに辟易してたんじゃないかなって。

また、略奪といった言い回しをする時には、
「負け惜しみ」のニュアンスが含まれている気がします。

「自分に非はないけれど、なにやらあくどい方法によって奪われた」
みたいな。
本当にそうなのかなあと思って、略奪について愛撫してみます。

略奪愛の登場人物

3者入り交じるお話なので、ここで名前をつけるとします。
略奪された人は「取られ君」、
略奪した「取りお君」、
そして、間に挟まれた「宝子ちゃん」。

どうも「略奪」って言い回しには、
宝子ちゃんの意見が介在できる余地がない。

まるで宝子ちゃんの意志に関係なく、
取られ君の権利が侵害されたかのような言い回し。

方法の是非にはもちろん通すべきスジみたいなものはあるのかなと思いつつ、
取られ君のもとを離れた宝子ちゃんの気持ちってどうだったんだろう。

宝子ちゃんの言い分

恋人を乗り換えたことで、
尻軽だ、無責任だと言われそうな宝子ちゃん。
心に決めたはずの取られ君のもとを離れることは、
不貞と言われても仕方ない。
そんなことは百も承知だったこととします。

それでも「取られ君とはやっていけないかもしれない」といった思いが、
心のどこかにあって、それが芽吹いて育ってしまったんじゃないかなあと。

愛し合うカップルとはいえ、問題はつきもの。
パートナーは誰より先にその問題に気づいてあげられたら良いけれど、
残念ながらそうではなく、取りお君が気づいちゃった。
そういう背景が見えるような気がします。

相談をしているうちに、取りお君と取られ君とで、
どっちが自分に向き合ってくれているのか、
宝子ちゃんは気づいてしまったのではないでしょうか。


取られ君の言い分

略奪漢の取りお君。
尻軽な宝子ちゃん。
そんなふたりの敵にまんまとやられた取られ君。

自分を振り返って、確かに劣るところや至らないところはあったかもしれない。
だけど、今だって宝子ちゃんを愛しているし、
ずっと一緒にやっていきたい気持ちに変わりはない。

なぜ!?
なぜなんだー!!!


思うに、なぜそうなったかわかってないところが一番の問題なんじゃないかなって。

かわいそうだけど、一緒に現実の道を生きていきたいのなら、
現実に起きている問題を解決できなかったら難しい。
ましてや、気づいてすらいないとしたら!


取りお君の言い分

そんな攻撃的になるくらい大事なんだったら、
もっと宝子ちゃんの話を聞いてあげたら良かったんじゃないの?
何も問題がなかったのなら、俺の出る幕だって無かったはずだよ。

取られ君が声高に唱える愛。
その愛のもとに、宝子ちゃんに何をしてあげた?

略奪とひとことで済ませてしまう現象のなかに、
取られ君が犯した致命的なミスがたくさんあるんじゃないかな?

もし、なにか悪どい方法で奪ったと言うなら、
同じ方法で取り返せるはずで、それなら焦らなくてもいいはず。


取られ君の行く末を案じる

あわれ恋人を失った取られ君。
このまま一生取りお君を卑怯者と罵って過ごすもよし、
宝子ちゃんを浮気者と罵って過ごすも良し。
名実ともに同情を買える準備が整いました。

でも、きっとどこかで恨み言を言っているだけじゃなにも得られないと気づくでしょう。
仮に取りお君よりも強いチカラを得て、
宝子ちゃんをそのチカラで奪ったところで、
宝子ちゃんが取りお君を愛することはないはず。

恨み言でたくさんの仲間を得たっておなじこと。

選択の自由を奪われて幸せになれるのは、
その対価がきちんと設定されている場合だけ。
そのとき宝子ちゃんが愛しているのは対価の方だし。

いつか、執着にかられることなく、
自分の振る舞いを見直して、
よりいい男になることを願うばかり。


まとめ

「略奪だー!」

と発狂するまえに、自らの言動を見直しましょうね。
それを怠ると、次の相手も誰かに奪われるんじゃないかな。
奪われるまでもなく、離れていくのは間違いない。

そう叫んでも許されるのは、
金品とか力関係とか、本人が望まない方法で強制的に奪われた時だけ。

選択の自由が保証されているから、
選んでもらえる喜びがある。

その自由を奪って強制的に自分を選ばせても、
相手の気持ちは離れていくだけ。

気持ちなんてどうでもいいってんなら、
君の気持ちは無視して略奪してもいいってことになる。

「なぜ離れてしまったんだろう」と問い、
「どうしてあんなことしてしまったんだろう」と自分に問う。
まずはそこからはじめてみるといいんだと思う。

宝子ちゃんみたいに、
「一度は愛した人だけど、その人の支配に苦しんでる子」
っていっぱいいるから、
そういう人の助けになってあげられたらいいなあ。

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