はじめに
「交際をせずに交遊する」をモットーに、
ウブな恋愛から熟年夫婦、はては居場所のない子どもたちを観察してきました。
テレビやネットなどなど、数々の媒体が「恋愛しろ」と喧伝するなか、
漠然とした「支配」と、支配を奨励する気配を感じ、
この記事をしたためております。
支配型恋愛の例
・私と仕事とどっちが大事なの!?
・結婚を前提に付き合って下さい!
・私だけを見て
・他のやつの連絡先なんて消せよ
・浮気したら別れるから
ひとつひとつみていきます。
・私と仕事とどっちが大事なの!?
→仕事を大事にする相手を認められない。
・結婚を前提に付き合って下さい!
→前提条件がなければ付き合えない。
お願いする立場でさらに要求をしている。
・私だけを見て
→自分の都合に合わせようとしている。
・他のやつの連絡先なんて消せよ
→人脈の断裂を要求している。
・浮気したら別れるから
逆に、相手にとって別れたほうが都合が良い場合は逆効果。
このように、どれも自分の都合を押し付け、
選択肢を奪う側面があります。
片思いの時より、交際時のほうが要求が大きくなっているのもポイント。
「そばに居られればいい」「見ているだけで幸せ」はどこへやら。
もちろん、将来を一緒に歩もうとしているわけですから、
揃えなければならない足並みがあるのは当然ですが、
嫌々やられて嬉しいですか?
それを強要するのは支配ではないですか?
という観点です。
声や態度に出さないからといって、
それが正しいとは限らない。
実際に浮気をしないからといって、
心の中では全く別の相手に夢中だったら?
どれも、相手の心を動かすというよりも、
行動に制限をもたせようとする発言なのがわかります。
果たしてそれって愛でしょうか?
支配型恋愛がもたらす影響
こういった恋愛をしている人に共通するのが
「彼氏なんだから~してよ(しないで)」
「彼女なんだから~しろよ(するなよ)」
といった欲。
疲労している相手をいたわらずに自分の都合で振り回したり、
理想の恋人像を相手におしつけたり。
他の異性に縁が無いことを武器に、
相手の交友関係を支配しようとしたり。
結局のところ、
望むばかりでいれば、やがて相手は疲弊してしまいます。
逆に、我慢しつづけることで相手にも同じ我慢を望んでしまいます。
こういった思考のふたりがやがて子をもうけた時、
子供に「子供らしさ」を強要したり、苦手なものを矯正しようとしたり、
教師に法外な要求をしたりするのではないでしょうか?
要求したり制限させることが愛情だと認識したままだと、
それを子供にも当たり前のように要求したり制限したりして、
いじめに走る子や、存在価値を見失う子、自殺願望の強い子になってしまわないでしょうか?
抑圧されたままの子供が、果たして幸せな未来を夢見ることができるでしょうか?
そうならないためにも、
どこかで思考を変える必要がありそうです。
どうすれば良いのか
同じようなことを親に言われた経験はありませんか?そうして無意識に刷り込まれた恋愛観を放置していませんか?
支配はもちろん、集団が盲目的に信じているものを、
自分に合ったやりかたかどうか、
ちゃんと検証するのを忘れていませんか?
つい相手に要求してしまうクセは、
誰から、どのように刷り込まれてしまったのか。
自分にむけて、疑問を投げてみることが大事です。
そこから原因を探ること。
迷ったら、うまくできている人に相談すること。
直接の接点がなければ、よく観察すること。
同じ状況のとき、あの人ならどうするか。
そうして少しずつ良いものをとりいれていって、
自分を改善していきましょう。
要求を、いったん自分に向けてみること。
「こうしてくれるはず」
といったものを取り払うこと。
日々そうしていって、すこしずつ良い方向へ。
その過程そのものを楽しめたらベスト。
注意
自分への問いを投げる際、つい自己嫌悪になってしまいがち。そうならないためには「原因特定」に目を向けること。
例えば「自分をこんな人間にしたのは誰だ!?」みたいな勢いで。
そして、誰による影響かがわかったら、
どんな行動や発言が原因だったかまで探って下さい。
人物の特定で終わってしまうと、行動に落とし込めません。
最悪の場合、その人を呪う人生になってしまいます。
なので必ず発言・行動まで落とし込みましょう。
余裕があったら、その人がなぜそんな言動をしてしまったか考えてみると、
呪わずに済むはず。
そんな発言・行動に至った根本が「行動原理」ってやつです。
行動原理に焦点をあてていれば、
「どうしてわかってくれないの?」といった状態を回避できるはず。
子供が言うことを聞かないのも、
親が自分を認めてくれないのも、
恋人が思うように動いてくれないのも、
根本的には同じ原理で動いていると知っておいてください。
まずは自分の行動原理を探ること。
そして相手の行動原理から、自分が提供できることを増やすこと。
ひらたくいえば、ノセ上手。
ノセ上手になれれば、相手に要求する必要はグッと減っていきますよ。